第1話

ラストニードルズ

　ラストニードルズ。

　それは闇の暗殺組織。

　奴らの手で葬られようとしたターゲットは数知れない。
国家の首脳や財界の要人、裏組織のドンまで、実に幅広い。

　メンバーを紹介しよう。

　まずはエイト・ブロック・モート。
日本語訳してはいけない。
剣の達人で、ジャパニーズ・サムライである。
ラストニードルズのリーダーだ。
表の世界では、市役所の職員をしている。

　二人目はエクセル。
日本語訳してはいけない。
表の世界ではアクセサリー職人である。
武器は彫刻刀。
イケメンである。

　三人目はオ・ランド。
オは、日本語の「お」だ。
ランドを日本（以下略）。
いかつい名前だが女だ。
ちょっとセクシーで、不良っぽい感じのいい女である。
表の世界では、バイオリ二ストをやっている。
武器はバイオリンの弦だ。
嫌いなものはゴキブリ。

　彼らはアジトであるサラ金事務所の２階に集まって、依頼人からの連絡を待っている。

　電話が鳴った！
エクセルが慌てて電話を取る。

「もしもし」

『お世話になります。
　私、求人広告の代理店をしております、株式会社ヒトウールの佐藤と申しますが、この度ですね、新卒採用のお手伝いをさせていただきたく、お電話させていただいたのですが、代表者様、社長様はいらっしゃいますでしょうか』

　ハキハキした感じの良い女の声である。

「……お待ちください」