ラストニードルズ

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 モートとオ・ランドが言い争っている間、エクセルは何か手元でごそごそやっている。 それを目にしてオ・ランドは 「何やってんだい?」 と明るく声をかけ、エクセルの手元を覗き込んだ。  エクセルは、スマホで美少女ゲームをやっていた。 すぐさまホームボタンを押すが、すでにチラ見えしていた。  イケメンのエクセルは、何事もなかったように茶を飲む。 オ・ランドは、見なかったことした。  痛い空気がアジトを支配した。  そのまま定時になったので、三人はそれぞれ自宅へ帰って行った。  表の仕事? 今日は有給休暇やったんとちゃいまっか? わたいは知りまへんけど。  次に彼らがアジトに集まったのは、翌週火曜日の朝だった。  アポがあったのだ。 「おい、八丁モート、営業の奴なんて、どうだっていいじゃないのさ」 「ん、まぁな、その、なんだ」  モートはゴニョゴニョ言って、キセルをふかしている。 オ・ランドは横目でその様子を見て、やがて言った。 「……おねーちゃんだったんだろ」 「ゲホゲホ、ゲェホゲホゲホ!」 「図星か」  茶を飲み、スマホをいじりながら、冷静な声でエクセルはそう言った。 八丁堀は、いやいかん、モートは、苦虫を噛み潰したような顔になった。
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