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「何って、そのー、何でも屋っつーか。
悪い奴らを、こらしめるっつーか」
「なるほど。
こらしめるといいますと、例えば訴訟などですか?」
「訴訟じゃねぇ、痛い目にあわせるっつーか」
「物理的に、ということでいらっしゃいますか?」
「んー、まぁ、そんなとこかな」
サイは上手に聞き取りをする。
凄腕の営業である。
知らないうちにモートは色んなことをしゃべってしまう。
「なるほど、すると、悪い要人の始末をするお仕事なのですね。
年間で何件ぐらい殺ってらっしゃるのですか?」
「うぐっ」
モートは痛いところを突かれた。
ここで冒頭の一文をもう一度書こう。
奴らの手で葬られようとしたターゲットは数知れない。
「葬られようとした」
葬ったことは、ない。
報酬をもらえたことも、ない。
よって仕事も、ない。
なななないっ なななないっ な(以下略)
「かしこまりました。
でしたら、暗殺の経験者ということで、募集をかけてはいかがでしょうか?
そうですねぇ、少しお待ちくださいね」
そう言うと、サイはタブレット端末を取り出し、検索をかけた。
「そうですねぇ、現在14名の登録がありますね」
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