Ⅲ.その温もり

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その日。 いつもなら、友だちと帰っていくはずの彼女が放課後の教室に一人でいた。 そのことを知ってて、俺は彼女を待ち伏せしてたんだ。 『委員会があるから先に帰ってて。』 そういう彼女の声に過剰に反応した自分に笑ってしまったくらい。 でも、チャンスだと思った。 今日、このタイミングで。 二人きりになるチャンス。 今まで、神様なんて信じたこともないけど。 今日ばかりは、信じていいんじゃないかってっ…まるで女みたいな思考に呆れながらも。 その“神様”に感謝してみる。
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