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「えっ…」
俺の声に、驚いた顔をした比奈がゆっくりと振り返る。
「だから、今日誕生日なの」
キョトンとしたままの彼女が可愛くて、緩んでしまいそうな口許を必死に引き締めて。
「お祝いしてよ」
彼女を真っ直ぐ見つめて、そう言った。
その上目遣いはわざとか?
そう思うほど、潤んだ瞳でまっすぐ見つめてくる。
俺の顔をじっと見て何かを探ってるような、警戒してるような、そんな瞳。
パチパチと繰り返される瞬き。
少しマヌケなその顔に、また緩んでしまいそうになる口許。
「ほ、他の子に…お、お祝いしてもらえば…」
他の女じゃダメだ。
それじゃ、意味がない。
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