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この果てしない闇黒の中に、ひっそりと浮く青い地球………
日々に変化する青の美しさを、いったい誰に見せようとしているのだろう………
ピョ~~~ンと跳び跳ねたディダムは展望台に降り立ち、
『かぐやも、あの地球を映し出しちょるかね』
と、頭上を通過する月周回衛星かぐやを仰ぎながら、そう呟きました。
『闇の中のオアシスかぁ………
人類も地球から離れんと、この意味は分からんじゃろ』
そこへピョンピョン跳ねながらアニーがやって来ました。
『アニー、お前だけか~~~
キーコはどうした~~?』
アニーは立ち止まると、辺りを見回してから顔を挙げました。
『ここだ、ここ~~!
今降りてくぞ~~~』
アニーはディダムを眼で追っていくと、
自分の肩に乗って止まりました。
『キーコはどうした?
一緒じゃなかったのか?』
「知らない……」
素っ気無いアニーの返事に、ディダムが傾げて振り向いた時に、
キーコはふわりと舞い降りて来たのでした。
「やあ~~お待たせディダム……アニーもね」
アニーは口を硬く結んでキーコを睨みました。
「そんな顔するな、女には色々と用事あるしぃ。
……今夜行くよ、なっ」
「もういいよ」
「…………」
キーコとアニーの間には気不味い想いが流れたのでした。
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