第3話 百二十七億光年の彼方へ

2/40
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
´  この果てしない闇黒の中に、ひっそりと浮く青い地球……… 日々に変化する青の美しさを、いったい誰に見せようとしているのだろう………  ピョ~~~ンと跳び跳ねたディダムは展望台に降り立ち、 『かぐやも、あの地球を映し出しちょるかね』 と、頭上を通過する月周回衛星かぐやを仰ぎながら、そう呟きました。 『闇の中のオアシスかぁ……… 人類も地球から離れんと、この意味は分からんじゃろ』  そこへピョンピョン跳ねながらアニーがやって来ました。 『アニー、お前だけか~~~ キーコはどうした~~?』  アニーは立ち止まると、辺りを見回してから顔を挙げました。 『ここだ、ここ~~! 今降りてくぞ~~~』  アニーはディダムを眼で追っていくと、 自分の肩に乗って止まりました。 『キーコはどうした? 一緒じゃなかったのか?』 「知らない……」  素っ気無いアニーの返事に、ディダムが傾げて振り向いた時に、 キーコはふわりと舞い降りて来たのでした。 「やあ~~お待たせディダム……アニーもね」  アニーは口を硬く結んでキーコを睨みました。 「そんな顔するな、女には色々と用事あるしぃ。 ……今夜行くよ、なっ」 「もういいよ」 「…………」  キーコとアニーの間には気不味い想いが流れたのでした。 ´
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!