第1章

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動揺、というよりは困惑。 サッカーしかしてこなかったから恋愛感情が乏しいのは解らなくもない。 俺だって乙かバスケか、必ずどっちかを選ばなきゃいけない究極の二択を迫られる時が来れば、迷わずバスケを選ぶと思う。 でも、愛しい、とか、もっとよく知りたい、独占したいっていう気持ちくらいはわかるだろ。 その辺が、守のよく解らないところだ。 今までも、言い寄ってくる女は沢山いたし、男だからそれなりには遊んでるみたいだった。 でも、気分が乗らなければガン無視。 『うるせぇな』『うざい』『さわんな』 甘い声をこれほどまで冷酷な態度であしらう男はほかに見たことがない。 それも、昨日抱いた女を。 「あんなことしてて「そうなの?」  ってお前、恐ろしい男だな」 俺が言うと、それはわかってる、と若干気まずそうに目を逸らす。 彼が言っているのは、どうやら執着についてらしい。
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