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六時過ぎでも冬場はすっかり日が落ちている。
辺りは真っ暗だ。
街灯だけが少女にこの街の景色を見せた。
大したものは何もない、何処にでもあるような一地区だが、夜景だけは他地域からも評判がいい。
他に見せるようなものも思いつかず、結局人気スポットらしい場所に連れていくことにする。
都合がいいのは、そこが自宅付近であるということ。
『次からはちゃんと相手を選べよ』
自分の家を通り過ぎ、坂を登って上へ上へと登る。振り向こうとしない背中に、照れという愛情を感じる。
メグムはそれが可笑しくなり、笑いを堪えつつ返事を返す。
『うん。次はもっと
あったかそうな格好してる人に頼むよ。
まもる、見てるだけでも寒い』
『そーゆーことじゃねぇ!
てゆか、仕事はマジメにやれ。
おじさん等めちゃめちゃ困ってたじゃん。
心配してるんじゃねぇの?』
『いーんだよ☆お給料もらってないし!』
『え、まじで?なんで』
『家の手伝いみたいなもんだから。
事務所の社長、オトウサンなんだよね』
『へぇ…じゃ、なおさら
こんな事したらダメじゃんか』
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