第1章

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「そういえば、こないだ、流さんに会った」 突然の俺の発言に、ふと大介が足を止める。 「は?どこで」 「合宿。止まんなよ、さっさと歩け」 急かすと、彼はい不満げながらも歩き始めた。 部活中は溶けるかと思った太陽の日差しも傾き、影が長く伸びている。 「なんで流さんが、そんなとこに」 「さあ」 「元気だった?なんか話した?」 なんでお前が嬉しそうなんだよ。 浮かれ調子でくい気味に話す大介を睨む。 大介が流さんを好きなのは知っているが、今回流さんに会ったことが決していいことばかりではなかっただけに、少しイラついた。 「………。  大介、次のオフっていつ?」 「え、んーっと。  来週の火曜だったかな。そん次が日曜」 「その次」 「一週飛んで月曜だな」 何故3週間後のことを覚えていて、数日後の休みを覚えていないのかは理解できないが、とにかく俺は日曜日のオフに予定を取り付けた。
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