[1] それぞれの長

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私立鴨橋学園 ここは俗に言う王道学園。 金持ちの子息が通う全寮制の男子校で、幼稚部から始まり、初等部・中等部・高等部・大学部まである。 もちろんエスカレーター式で進学ができるのだが。 山奥にあるため、普段から街に下りることもなく、女性との出会いなど無いに等しい。 そうなると、女性への『恋愛』という感情は、憧れや崇拝と入れ混じり、同性である男性に向く。 幼いころからこの学園に通う生徒だけではなく、途中から入学してくる編入生までもが同性愛に染まるのである。 そんな学園の生徒のトップに君臨するのが生徒会であり、その選出方法がこれまた王道で、生徒内のランキングの上位者で固められている。 また、その生徒会と対等の立場にあるのが、学園の治安を守る風紀委員会。 生徒会と同じく、ランキング上位者の中から委員長・副委員長の2名を選出する。 今まで出てきた「ランキング上位者」にはそれぞれを崇拝する親衛隊が存在し、そのほとんどが過激派である。 今まで上手く保たれていたバランス。 それが1人の転入生によって崩れ始める。 まさしく『王道』 この物語は、主人公がそんな王道を丸ごと利用するお話。
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