[3] カウントダウン

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「悠人、お前もわかってるだろ。俺らに将来はない。俺らは、お互い親の会社を継いで何十、何百、何千万もの命を守らなくちゃいけなくなる。そしたら、ただ自分勝手な感情に任せて動くことなんか出来ない。どうせ一緒にはいられなくなるんだ」 説得するように柔らかく、優しく言えば、きっと彼も納得するだろう。 本当のことなんだ。 俺らに未来はない。 今ここで両想いになったところで、後で苦しむのは、悠人……お前自身なんだよ。 ずっと一緒にはいれないんだ。 多分、お前のその気持ちは、本物なのだと思う。 一度別れ、他の誰かを愛しく想った後の告白なのだから。 それなりの覚悟もできていると思う。 でも、もうあの頃の俺とは違うんだ。 お前に告白されて、流されて付き合い始めたあの頃とは。 俺らも大人になったんだ。現実を見なくちゃいけない。 この学園に縛られてるわけにはいかないんだよ。 そんな意味も全てこめて伝える。 俺の心臓は針のようなものでチクチクと刺され、何か固いものでギューっと挟まれたような痛みを感じていた。
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