[3] カウントダウン

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【Side 悠人】 気が付いたら足は風紀室に向いていた。 懐かしい生徒会室を通り過ぎ、奥の部屋へと急ぐ。 理事長室に呼ばれた翡翠と会わないように、エレベーターで登るだろう彼を予想して階段で登った。 何故か僕が風紀室に入るところを見られてはいけない気がしたから。 風紀室に入ると、予想通り須賀龍音はひとりでそこにいた。 僕がそこに来るのがわかっていたかのような様子に苛立ちを覚える。 知ったばかりの翡翠と須賀の関係を告げても、驚いた素振りもしない、逆に笑みを浮かべる彼に怒りは増すが、ここで更に冷静さを失えば自分が何を言い出すかわからなかったため、気持ちを抑え込みながら言葉を続ける。 僕の言葉に逆に苛立ちを見せたところから、須賀はきっと・・・ 一番聞きたいことをなかなか言わない彼と話しても仕方ないと思い、話を切り上げて部屋を出た。 階段に向かう途中にある生徒会室の前で足が止まったのはただの気まぐれ。 開くはずないとわかっていながらもドアノブに手をかけたのは、期待から。 もしかしたら、彼がまだここにいるかもしれないという。
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