[3] カウントダウン

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【Side 龍音】 副会長が風紀室に来たのは予想外。 まぁ、それでも別に問題はない。 せいぜい足掻いていればいいさ。 気づいたころには何もかもなくなっているのだから。 彼が風紀室を後にしてからしばらくしてから風紀室を出た。 終業式に出るためである。 主には来なくていいように言ってある。 今の彼には全校生徒の前で演説をするなど、無理に等しいような気がしたから。 もちろん、それは本人には言っていないが。 体育館に付いたとき、ほとんどの生徒がそこに整列していた。 いつも通り生徒会役員と風紀の面々は列には入らず脇に並んでいる。 しかし、先に出たはずの長谷の姿はそこにはなかった。 生徒会役員に聞いてみても知らないと言う。 確かに嘘を言っているようには見えない。 なら、長谷はいったいどこへ行ったのだろう。 この場に長谷は絶対不可欠だったのに。 考えながらも役員たちのいる脇へ行くと、まるで、到着を待っていたかのように終業式が始まった。 「生徒会長、副会長不在につき、風紀委員長挨拶へと変更します。須賀君」 生徒会長も副会長もいないとなると、挨拶は風紀委員長が適任と考えたのだろう司会の教師が始まりを告げる。 それは式の始まりか、それとも……
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