[3] カウントダウン

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【Side 龍音】 生徒の列の中にいた彼が前へ出やすいように、周りの生徒が道をあけ、それが連鎖し、彼は舞台の前までたどり着いた。 短い階段をゆっくりとのぼり壇上中央のマイクに向かう。 「いきなりすみません」 マイクの前に着くと第一声に謝罪をし頭を下げた彼。 体育館内にいる全ての人の目がそんな彼に向く。 「単刀直入に言います。僕は現在の状況を全て踏まえた上で、現生徒会役員を全ての役職においてリコールします」 彼のその言葉にざわめく生徒や教師たちと対象的に言葉を失い固まる役員たち。 自分たちがリコールされているという状況が理解しがたいのだろう。 ましてや、自分らを慕っていた親衛隊からの申し出だ。 この場に長谷がいないのが非常に残念だ。 「君はこの学園の規約を知っているよね」 「はい、理事長」 一人冷静に声を発したのは理事長で、それに即答するように彼が返事をした。 「ちょっと待てよ!!!」 体育館に響き渡る、それはそれは大きな声で叫んだのは、わかりきってはいるが、あえて言おう。 空気の読めない例の転入生だ。
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