[3] カウントダウン

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【Side 龍音】 「蓮見、落ち着いて」 壇上のマイクを使い蓮見を制する彼。 「生徒会役員をリコールする際の規則です。副会長様の親衛隊はこれをもって解散します」 この学園では、生徒会をリコールすることができるのは、学園の最高峰の理事長、生徒会と対等の力を持つ風紀、生徒会を指揮する生徒会顧問、後は生徒会役員の親衛隊隊長のみであると決まっている。 もちろん校則で。 その校則によると、親衛隊隊長がリコールを起こす場合、その隊は解散しなければならない。 理事長はそのことを言っていたのだろう。 過激派な長谷の親衛隊が解散するという朗報に、周りのざわめきが一層広がった。 「なら、葛城様の親衛隊も解散する」 「会計様の親衛隊もです!!」 「書記様のもだ!!!」 彼に続くように解散を宣言したのは、蓮見を筆頭とする、生徒会役員の親衛隊隊長たち。 親衛隊に興味も示さなかった、むしろ蔑んだ目で見ていた役員たちも驚きと戸惑いでキョロキョロしている。 「よかったじゃないか。仕事しなくてよくなるんだ。お前らには好都合だろ。まぁ、今までもちゃんとやっていたようには見えないけどな。無駄な期待もされず、親衛隊も気にせず過ごせるんだぞ」 落ち着きがなくなってきた役員たちを宥めるように、でも、貶しを含んで言う。
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