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夏休み明け、何も知らない転入生は静かな学園へと向かう。
そこにいるはずのたくさんの友達、そして大好きな彼に会えることに喜びと期待を抱いて。
だが、学園には誰一人として姿がない。
それに転入生が気づくのは、始業式が予定されていた9月1日の話。
帰ってくるのが遅れているのだと勘違いしていた彼は、当日教室に行き、蛻のから状態の教室を見て何が何だかわからなくなるのだ。
そして、理事長である叔父のもとへ急ぐのである。
しかし、その理事長ですらどうすることもできない。
生徒を学園に引き戻すための設備もなければ、その費用も、学園を維持する資金も、そして何より、生徒からの信頼もないのだから。
誰もいない学園では、『やられましたね』と苦笑を浮かべる秘書の声だけが響いた。
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