[4] エピローグ

2/5
前へ
/89ページ
次へ
夏休み明け、何も知らない転入生は静かな学園へと向かう。 そこにいるはずのたくさんの友達、そして大好きな彼に会えることに喜びと期待を抱いて。 だが、学園には誰一人として姿がない。 それに転入生が気づくのは、始業式が予定されていた9月1日の話。 帰ってくるのが遅れているのだと勘違いしていた彼は、当日教室に行き、蛻のから状態の教室を見て何が何だかわからなくなるのだ。 そして、理事長である叔父のもとへ急ぐのである。 しかし、その理事長ですらどうすることもできない。 生徒を学園に引き戻すための設備もなければ、その費用も、学園を維持する資金も、そして何より、生徒からの信頼もないのだから。 誰もいない学園では、『やられましたね』と苦笑を浮かべる秘書の声だけが響いた。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

943人が本棚に入れています
本棚に追加