01.ハジマリ、ハジマリ。

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「……マヤ?!」 一瞬、幻かと思ってしまった。 けど、塾の出口に立っていたのは、紛れもなくマヤだ。 「どうしたの? 何か忘れ物?」 「シンを待ってた」 「へ…」 心臓が、小さく鳴いた。 …一時間も待つくらい、怒っているということなのか。 「ご、ごめ…」 「…誤解だから。 触られたくないとか。 むしろ…」 ――…グイッ、 「マヤ…?」 …抱き締められてる? マヤに? 「さっきのは、ちょっとビックリしたからで。 あと…欲情しそーになったから」 「よくじょう…?」 誰が、誰に? マヤが、俺に…? 「俺、男だけど…」 「ウン。 知ってる。だから…」 ……ちゅ、 「っ???!!」 「男を好きになった事ないなら… これから、俺のコト好きになってよ。 シン」 …鳥籠の鍵は、開かれた。 next...
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