02.不可解ナ、感情。

4/13
前へ
/186ページ
次へ
「どうしよう……」 これって浮気…なのか? でもまさか、沙彩にこんな事言えるわけない… 「真耶に…男の人にキスされて、感じてしまったなんて」 ------- 次の日、朝。 眠気に耐えきれなくなって、大きなあくびを一つ。 「慎くん! おはよ?」 「沙彩…おはよ」 「顔色悪いよ? 大丈夫? 寝不足?」 「うん…」 当たり前だけど…あの後、全然眠れなくて。 復習始めたら、止まらなくなっちゃったんだよな… 「シン!」 ――…ドクン、 「あ、福士くんだ? おはよ?」 「おはよう。 …シン、昨日の事だけど、」 「俺! 先生に雑用頼まれてたの忘れてたから先に行く!!」 「慎くん」、と沙彩の声が聞こえた気がしたけど… もうあの場に、彼の傍にいたくなくて。 だって、キスされて、ぼっ…勃起、してしまったなんて、恥ずかしすぎるだろ…! 「待って、シン!!」 「へっ…」 不意に、腕を掴まれて。 バランスを取れず、思い切りその場に膝を擦ってしまった。 「いっ、た…」 「ごめん、大丈夫か? でも、こうでもしないと、俺の話聞いてくれないだろ」 俺を逃がさないようにと、壁に添えられた真耶の手。 …すぐ目の前に、彼の顔。 と、閉じ込められてる… 「や、やめてよ… こんなの、誰かに見られたらっ」 「こっちは部活棟だし。 大丈夫」 …そういう問題じゃないんだけど。
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

398人が本棚に入れています
本棚に追加