02.不可解ナ、感情。

7/13
前へ
/186ページ
次へ
「理由に、なってない…っ」 「そ? 理にかなってると思うけど」 喋りながらも、手の動きは続いていて。 イキそうになったら、止められて。 それを、何度も何度も繰り返される。 そのもどかしさに耐えきれなくて、無意識の内に涙を流していた。 「シン…泣いてるのか?」 「っう… ち、ちが…」 違わないのに。 それでも、否定の言葉を紡いでいないと、何かが壊れてしまいそうだったから。 だから、必死に。 「…シン。 俺にしてほしいこと、あるでしょ?」 「な、なに…っ」 「お願いがあるなら、ちゃんと言葉に出してオネダリして。 じゃないと、ずーっとこのままだよ?」 …嫌だ、困る。 だって、一時間目をサボってしまったのに。 二時間目もサボってしまうのは、よくないし。 だから。 だからなんだ。 決して、俺の願望なんかじゃ、ない… 「っ…イカせて… マヤ…!」 「…よく出来ました」
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

398人が本棚に入れています
本棚に追加