02.不可解ナ、感情。

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その言葉を引き金に、扱くスピードは早まって… …いとも簡単に、イッてしまった。 「っ、ふ…」 彼の、口の中で。 「や…! き、汚いよ…!」 「…だって、ティッシュとか持ってなかったし。 制服についたら困るだろ?」 イク瞬間にマヤが体を屈めたから、何だろう、なんてそんな悠長な事を考えてたら… …自身を、くわえられて。 その温かさに追い立てられるように、二回もイッてしまったのだ。 「…それに、シンの精液飲んでみたかったし」 「?! ば、バカなんじゃないのか…っ」 「美味しいよ。 あと、甘い」 ――…カァッ…! 「お…俺! もう行くから!」 …なんで。 俺、こんな。 女の子みたいに扱われて、 …なのに 「…シン。 好きだよ」 シンの落とし物であろうハンカチを、自らの唇に押しあてて。 彼の残り香に、キスをした。 -------- 幸いな事に、一時間目は自習だったようで。 沙彩に散々理由を問いただされたけど、言える訳もなく。 体調が悪かったから保健室にいたと、嘘をついた。 「…もう大丈夫なの?」 「うん。 心配かけてごめん、沙彩」 「ならいいんだけど?… …あ、あのね? 慎くん」 「うん?」 「今日ね、一緒に帰れなくなっちゃった。 茜ちゃんがね、カラオケ行こうって…」 「いいと思うよ。 楽しんでおいで。 俺も、ちょうど塾があるから」 「そ、そっかぁ… うん、わかった!」
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