02.不可解ナ、感情。

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正直、ホッとしていた。 やっぱり、どこか気まずかったから。 塾があるというのは、嘘だけど。 …沙彩に気を遣わせないようについた嘘が、終わりの引き金になるなんて…誰が予想していただろうか。 -------- 放課後。 「シン」 ――…びくっ 「…マヤ」 「これ。 朝、落としてた」 気まずさから視線を合わせずにいたのだけれど、何かを手渡された感触がして、ゆっくりと視線を向ける。 其処に乗せられていたのは、ハンカチだった。 「あ、ありがと… …って、朝?」 「うん。 俺がシンのを手コキして、精液を飲ん……」 「わー!!!」 周りに人がゼロってわけでもないのに! 何を言おうとしてるんだ…!! 「あの後、本当はシンにも俺のをヌイてもらおうと思ってたんだけど、逃げられちゃったから。 ハンカチをおかずにさせてもらった。 ありがとう」 「…っ… 耳元で、小声でならいいってことじゃない!!」 しかも恐ろしいのが、マヤの声が真剣だということ。 …顔も真顔だし。 「…そういえば、山岡は?」
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