01.ハジマリ、ハジマリ。

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どうして、こんな事になってしまったのか――… 彼との出逢いは、今年の6月。 志望大学別の説明会の時…。 「先生、来ないね。 沙彩お腹すいたよー」 「そうだね。 終わったら、コンビニで何か食べながら帰ろうか」 「ほんと?! やったー! 沙彩ねー、チョコまん食べたい!」 彼女は、山岡 沙彩。 幼稚園から一緒の、いわゆる幼なじみ。 そして、彼女。 同じ大学を受験して、卒業したら就職をして、結婚する。 自分の人生設計はそうであると、信じてやまなかった。 「…ここ、座っていい?」 「! どうぞ」 …あ、隣のクラスの… 確か、福士 真耶くん。 女子達がイケメンだって騒いでたけど… 本当にイケメンだなー… 「…何。 顔になんかついてる?」 「あ、ごめん… すごいかっこいいなぁ、って思って」 「!」 素直な感想を述べたつもりだったんだけど、福士くんはどこか驚いたような顔をして…小さく笑った。 「アリガト。 えーと…」 「あ、橋本 慎太郎です。 こっちは、山岡 沙彩」 「初めまして! 慎くんの幼なじみで、彼女ですっ」 「…福士 真耶。 ヨロシク」
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