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真紀は話をする為に、向きを変えて浩二と向かい合った。
「……ねぇ、さっき浩二は、
『俺の夢は医者になることだが、授業料の為に屈辱的な店外デートを……』
なんて事を呟いていたよね」
「……俺、そんな事を言ったか?
忘れてくれ。
人前では弱音を吐かない筈だが、何故かお前の前では正直になれる……不思議だ」
「ねぇ、浩二……ホストクラブ辞めたら……」
「真紀……冗談は止めてくれよ。
俺も辞めたいけど……肉親のいない俺には……」
浩二が暗い顔をして、言葉を濁した。
「……もしかしたら、わたし……浩二の夢を応援……出来るかも……」
「えっ! 何だって」
浩二が真紀の上腕を掴んだ。
「浩二、腕が痛いよぉ……」
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