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「……おぅ……同業者か……」
良二は、そう言いながら自分の
名刺をルミと真紀に渡した。
「私は名刺が無いわ」
真紀が言った。
「……俺も無い……」
真紀の言葉に、覆い被せるように浩二も
呟いた。
「やっぱりね、良二くん。
私たちの会話を尾行しながら聞いていたすね。
君たちに聞こえるように、少し大きな声で喋ったす……でも満席は予想外だったわ……」
「俺たちはルミの手のひらで踊らされていたという訳か……でも、毒を喰らわば皿までと言うし……」
良二がルミに右手を出しながら言った。
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