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「俺達も、そろそろ出ようか……」
「えぇ……」
「あれっ!」
浩二がショルダーバッグの中に手をいれて何か探している。
「……お金?」
「いや名札だ。 家に忘れて来たみたいだ。悪いけど一緒に俺のマンションに行って、俺が帰るまでマンションで待って貰えないかな……」
「……えぇ、マンションで……」
「ごめん……この通りだ」
浩二は大袈裟に頭を床にすれすれに近付ける。
「分かったわ……」
「……やったぁ……」
(……子供みたいな人ね……)
真紀は最初の頃の警戒心が薄れていった。
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