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スーパーの入口の前には、本日特売日の文字が薄黄色の旗に赤で描かれていた。 風が強くて、旗がパタパタと激しく揺れている。 「おぉ! 寒い」 と、言いながら浩二は入口近くに積み重ねてあるカゴを右手に持って、 先にスーパーの中に入った。 「浩二さん。 すき焼きに必要な食材をカゴに入れてね」 「了解」 浩二は、目を輝かせながら返事をすると 野菜売り場で野菜を選んでカゴに入れていた。 5分もしないうちにカゴが食材で一杯になり戻って来た。 「ちゃんと選べたかしら……」 真紀は、そう言うとカゴの中身を 他のカゴに移しかえた。 「浩二さん、キャベツとジャガイモは、元の場所に戻しておいてね。 すき焼きには使用しないから……」 「……了解」 真紀から渡されたカゴを持って浩二は、 野菜のコーナーに向かった。 浩二は、キャベツとジャガイモをもとに戻した。 その時、 「あたし……だーれだぁ……」 突然、後ろから目隠しされた。
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