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真紀は恐怖のあまり浩二に、ガシッとしがみついた。
「大きい地震だな……大丈夫だよ」
『ガタガタ……』
『ギシギシ……』
エレベーターの揺れは1分位続いた。
エレベーターは3階と4階の中頃で止まっていた。
「……寒いのか」
浩二は、そう言うと自分のコートを脱いで真紀に羽織った。
「ありがとう」
浩二は真紀を抱き寄せた。
ラガードの香水が鼻孔をくすぐる。
「……こうすれば、少しは温かいだろう……」
「……うん」
真紀は地震の恐怖が少し和らいできた。
突然、浩二の冷たい唇が真紀の唇を塞いだ。
『……えっ……ダメー……』
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