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全く予想していなかった浩二のキスに、 真紀は少し、いやいやをした。 浩二の生暖かい舌が真紀の唇をこじ開ける。 その瞬間、真紀の頭の中は痺れて、心身が脱力した。 浩二の舌が真紀の歯茎をローリングする。 『……痛い』 舌が強く吸引された。 (……キスが上手すぎる) 『ガタン……』 エレベーターが、少し揺れて、 上昇しだした。 浩二が真紀の口から舌を抜く。 唾液が糸を引いたように垂れ下がった。 浩二は右手で唾液を拭いた。 エレベーターが止まりドアが開いた。 目の前に子犬を抱いた中年の婦人が、二人を見て驚いたような顔をしていた。
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