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真紀はハーフコートを脱いで、再び浴室のドアを開けた。
湯船から溢れたお湯が少し、タイルの床に流れ落ちている。
(また少し余震があるのかしら)
真紀は腰を落として、手で湯船のお湯を
掬(すく)いながら上半身にかける。
「……よし」
そう小さく呟くと、立ち上がった。
湯船の縁に左手を置いて、お湯の中に飛び込んだ。
『ザブン』
『バシャッ』
大量のお湯がタイルの床に、こぼれた。
『……あぁぁぁ』
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