第1章

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食べ終わっても無言。 これはキツイ。帰っても誰もいないんだけど、早く帰りたい。 「…あの、私そろそろ帰らないと…」 「家、どこ?送る。」 「…え?でもそれはさすがに…」 「さっきの奴。待ち伏せてたらどうる気?」 結局そんなこと言われたら断れない訳で、送ってもらうことになった。 木崎先輩は無愛想でほとんどしゃべらないんだけど、でもちゃんとマンションの玄関まで送ってくれた。 「あの、今日はご迷惑おかけしました。助けていただいて本当にありがとうございました。」 それだけ言って家に入ろうとすると、なぜか先輩に呼び止められた。 「…松下」 「…え?はい、何でしょう。」 「ちょっとケータイかして。」 「…ケータイ、ですか。」 まあ、木崎先輩なら悪用はしないか。 なんでそんな事言われたのかよく分からないままバッグからスマホを探しだし、ロックを外して先輩に渡す。
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