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「行かないって、離し…」
「夢。言うこと聞けよ」
私の震えた声に被せるように低い声で吐き出されたセリフ。
もちろん彼が言ったもの。
声が飛んできた方を見上げると、目が笑っていない彼がいて
「…っ」
足がすくんで動けなくなる。
どうしよう、連れてかれるっ!
と思った瞬間、体がふわっと浮いてストンと二歩ほど後ろに降ろされた
元カレの手から離れて、温かい上着にすっぽりと包まれた
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