第1章

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「……正解だ。  よく勉強しているじゃないか。座っていいぞ」 「…………」 教師の言葉を受け、男子学生は、黙って席に戻ろうとする。 男子学生の醜態が見れると期待していた学生等は、露骨に舌打ちをし、横を通り過ぎる学生に対し、教師から見えないように唾を吐きかける。 学生は、唾を吐きかけてきた学生を見ると、冷ややかな笑みを浮かべ、何も言うことなくそのまま席についた。 馬鹿にされたと感じた学生は、怒りで顔を真っ赤に染める。 (……あの野郎、キモヲタの分際で俺を見下したような目で見やがって!! 覚えてやがれ) 怒りのあまり、学生が握っていたシャープペンシルが、中ほどから二つに折れる。
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