第1章

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 男子学生が席についたのを確認した教師は、もう一度学生たち全員に語りかけるように教壇の前に立つ。 「いいか、こいつみたいにとまでは言わないが、お前らも来年は3年に進級するんだから、少しは目標とする大学の過去問などを勉強しとくように、授業中寝ていて後から慌てるような奴らに俺は手は貸さないからな!!  ……では、授業を再開する」  そう言い放つと、再び教師は黒板に戻り、チョークで数式を羅列しながら、公式の説明を再開していた。  大半の生徒は、最初こそ集中したものの、すぐに教師の説明を子守唄がわりに微睡はじめ、男子学生も興味なさそうに欠伸をすると、頬杖をつきながら窓の外を眺め始めた。
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