ステップ10

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課長がお風呂場に向かった音に聞き耳をたてた。 脱衣所からお風呂場へ。 お風呂に入ったよね。 こそこそと脱衣所に忍び込んで、ドライヤーを居間に運んだ。 今日は、私が乾かしてあげよう。 いつもやってもらって、気持ちがいいから、私も課長を気持ちよくさせてあげよう。 ついでに、マッサージをしてあげてもいい。 出血してないけど、出血大サービス。 何か、してあげたい気持ちが育つのは、愛でしょうかね。 ソワソワしながら課長がお風呂から出てくるのを待ってます。 ドライヤー、持ってきちゃったから。 ふふふっ。 私の作戦勝ちに違いない。 勝ち誇った気分で待ってます。 いつもよりも、ずっと早くこちらに向かってくる音がする。 ほらね、扉が開いた。 「みゅー、ドライヤー知らねー?」 「ギャーーーーー!!!服、着て下さいよ!!!」 課長の声をかき消したのは私の声だ。 まさか裸族で登場するなんて思わなかったから。 「お前がドライヤー持ってくるからだろ?下の毛も乾かさないとクララが風邪引くだろ。」 叫んですぐに課長に背を向けたのに、脱衣所に戻る様子もなくこちらに向かってくる足音。 しかも、おかしなこと、言ってなかったか? 下の毛も乾かすの? ドライヤーで!? クララが風邪をひく!? 何の冗談かと思ったのに、私の背中側でブンブンと音がしてる。 本当に下の毛を!? 初めて知った。 アンダーヘアもドライヤーするんだ。 私ってば、ちゃんとしたヘアケアできてなかったんだ。 タオルドライだけじゃダメなのかな。 たまには、トリートメントをつけて、しっかりとケアしないといけないのかな・・・。 まさか、男の課長に負けてるとか・・・。 うん、女子力向上しなければっ!!! 課長が大阪に戻ったら、漫画とダイエット以外に女子力の向上にも努めよう。
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