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「おーい、みゅーちゃん。」
課長の声。
目を開けたら、至近距離に課長の顔。
そして、目を瞑った。
近いって。
「寝るんじゃねーって。ほら、起きろ。朝だぞ。」
問答無用で私の口にねじ込まれた課長の舌。
朝から濃厚です。
ギブアップ、課長の胸元を叩きました。
「起きたかよ。もう10時だぞ。さっさと起きてシャワー浴びて来いよ。朝飯は抜きだぞ。山本行って味噌カツ食べようぜ。」
もう10時の言葉にもビビったけれども、大阪に戻るはずなのに大衆食堂山本がメインのような口ぶり・・・。
ゴソゴソとその辺に転がる私のティーシャツやら何やらを集めてタオルケットの中でごそごそと装着した。
「別に見られてもいーだろ?もうイロイロ見てんだしさ。」
クスクスと笑いながら言う課長を睨んだ。
「出てってくれたらこそこそしませんよ!!!」
「やだし、だってみゅーのことしっかり目に焼き付けておきたいし。朝日に照らされるみゅーの裸体も最高だなってさ。」
「変態!!!」
服を着終えた私が立ち上がったのと、課長が立ちあがったのは同時。
きっと、私が立ち上がるのを見計らっていたに違いない。
「変態だよ、わりーか?」
ニヤリと笑って、開き直られて返す言葉が思い浮かばない。
「俺ってさ、変態だし、みゅーのこと好きすぎてたまらないってクララも言ってるし、景気づけに一発ヤッておくか?」
ん?
と笑いかけてくる変態課長。
「バカ!!!」
私が歩き出したときに、背中に届いた課長の笑い声。
どうやら、課長はしんみりした別れを演出する気はないようだ。
私だって、そんなことにはならないように、精一杯、課長につきあうしかない。
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