ジャンプ1

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水曜の夜。 体調とのランデブーを済ませて、お風呂にも入った。 妊娠してないけど妊娠線には、調べたらやっぱり保湿が大事らしい。 どのクリームを買えばいいのか、よく分からなかったから、妊婦じゃないけど妊娠線予防クリームを買ってみた。 予防するためのクリームに出来てしまった妊娠線を薄くする効果があるのだろうか。 いや、でも、きっと、保湿が大事なんだから大丈夫だ。 自分の化粧水が置いてある場所に一緒に入れておいた。 これで、風呂上りに塗り忘れることもない。 一応、やりたいことは終わってるから・・・電話しよう。 その前に、深呼吸。 吸って、吐いて、吸って、吐いて。 よし、精神統一だ。 課長、課長、変態課長。 勇気を出して操作をして、課長が出てくれますようにと耳に当てる。 「もしもし?みゅーの素敵な彼氏です。」 ・・・絶句した。 すぐに出たのもびっくりだったけれども、まさかの言葉にびっくりだ。 「間違えました。」 プチ。 つい、切ってしまった。 せっかく繋がった電話なのに。 すぐに課長からかかってきた。 「もしもし?」 「お前、バカヤロ。間違えるわけねーだろ。そっちからかけてきておいて。面白くて笑ったじゃねーかよ。つーか元気出た。サンキュー。」 楽しそうな声で一気にまくしたてるような、そんな勢いで聞こえてきた言葉のひとつひとつが、染みてくる。 元気出た、サンキューって。 「疲れてましたか?」 「まーなー。ちょっと仕事の方が・・・ってそんな話はいいだろ。」 そっか。 仕事、大変なんだ。 大阪、今月の達成、見えてないのか。 まだ半月、残ってる。 あと半月しか残ってない。 どっちだろう。 「みゅー?お前の方こそ元気じゃねーから電話してきたのか?」 「えっ、元気ですよ。でも、週の真ん中だし、ご機嫌伺いに。」 可愛くない返事だと自分でも思う。 元気じゃないことはないけど、課長の声が聞きたかった。 きっとそれだけだ。 「ぶっ、バカヤロ。ご機嫌伺いって何だよ。つーか、じゃぁ毎週水曜日はみゅーがご機嫌伺いの電話してくる日に決定。俺もみゅーの声、聞いて頑張れるし。」 勝手に決定されたご機嫌伺いの電話をする日だけど、声が聞けて嬉しいのは私も一緒だ。 「分かりました。」
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