ジャンプ1

9/17

5300人が本棚に入れています
本棚に追加
/439ページ
たわいもない会話を5分くらい繰り広げて、ずいぶん気持ちが軽くなったと思った。 もっと話していたい気持ちもないわけじゃないけど、課長だってきっと忙しくないわけじゃない。 私だって、やることはある。 「けーごさん、声、聞けて元気になりました。そろそろ、切ってもいいですよ?」 「みゅーが先に切れって。」 この問答、何回目だろう。いつもやってる。 いつも通りに、じゃぁ、せーのでということになった。 「「せーの」」 プチ。 電話をかけて良かったなと思った。 自分の頬を触って、口角が上がってるのを感じた。 頬だって上がってる。 目の前にいないのに、声を聞いただけで元気になれる存在なんだ。 課長。 私の中で、どんどん課長が増殖していってますよ。 私の心の中に高速増殖炉ケーゴーがあるみたいです。 困ったなぁ。 この気持ちの持て余し具合。 乙女思考もいいところって感じだ。 漫画の続きを描こう。 ふっと時計を見たら、もう日付がかわろうとしていた。 まずい、まずい。 まだ水曜日なのに夜更かしして明日に響いてはならない。 それに、お肌と健康にもよくないらしい。 しまったなぁ。 寝る前に課長が読んでると言ってた『エブ』を読むのが密かな楽しみだったのに。 今日は諦めて、寝よう。
/439ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5300人が本棚に入れています
本棚に追加