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たわいもない会話を5分くらい繰り広げて、ずいぶん気持ちが軽くなったと思った。
もっと話していたい気持ちもないわけじゃないけど、課長だってきっと忙しくないわけじゃない。
私だって、やることはある。
「けーごさん、声、聞けて元気になりました。そろそろ、切ってもいいですよ?」
「みゅーが先に切れって。」
この問答、何回目だろう。いつもやってる。
いつも通りに、じゃぁ、せーのでということになった。
「「せーの」」
プチ。
電話をかけて良かったなと思った。
自分の頬を触って、口角が上がってるのを感じた。
頬だって上がってる。
目の前にいないのに、声を聞いただけで元気になれる存在なんだ。
課長。
私の中で、どんどん課長が増殖していってますよ。
私の心の中に高速増殖炉ケーゴーがあるみたいです。
困ったなぁ。
この気持ちの持て余し具合。
乙女思考もいいところって感じだ。
漫画の続きを描こう。
ふっと時計を見たら、もう日付がかわろうとしていた。
まずい、まずい。
まだ水曜日なのに夜更かしして明日に響いてはならない。
それに、お肌と健康にもよくないらしい。
しまったなぁ。
寝る前に課長が読んでると言ってた『エブ』を読むのが密かな楽しみだったのに。
今日は諦めて、寝よう。
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