ジャンプ1

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日曜日には、課長の自宅まで行った。 汚れたままのシーツをキレイにしたかったのが理由だ。 名古屋で電車を乗り換えて、課長のお宅の最寄駅まで。 一人で電車に揺られながら、淋しいようなそうでもないような気持ちになった。 電車の中はスマホを弄る人ばかり。 ここで本を読んでいたら、サマになるかもと思った。 スマホを弄ってるよりも賢く見えそう。 帰りに本を買おうかな。 課長のいない課長のお宅に入り込むのは、若干気がひけるけれども、汚れたシーツをそのままにしているのも気がひけるわけで。 相変わらず、押さえつけてまわさないと鍵が開けれないおかしなドアを相手にガツンと蹴りをお見舞いして開錠。 ムンムンな空気を感じて、中に入って掃出し窓を居間の方も寝室の方も全開にして空気を入れ替えようと居間に突進・・・。 ふと目に飛び込んできた居間の座卓の上。 何もないのが普通の様子なのに。 白い紙を目の端でとらえて、掃出し窓に向かっていた足を止めた。 『淋しくなったら有給使って来てもいいぞ。大阪府・・・・・。待ってるから。』 短い手紙とその上にのる鍵。 ふと、先週のことが思い出された。 忘れ物したから待っててと言って、玄関の外で待っていたとき。 何も持たずに現れた課長の姿。 これ・・・書いて置いておいてくれたんだ。 鼻の奥がツーンとして、手紙が滲んだ。 座卓の前に座って、課長の筆跡を指でなぞった。 『そんなに俺のこと好きなわけ?』 そう言われてる気がした。 好きに決まってるじゃん。 課長の匂いのするこの部屋に来て、充電したいと思うくらいに好きに決まってるじゃん。 流れた涙を手で拭って、手紙を手帳に挟んで、それから鍵をキーホルダーにくっつけた。
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