かかって恋

ジャンプ２

荷物をたんまりと増やしてしまった・・・。
それに、お腹も空いた。
ちょうどいいことに、ここはデパ地下。
お弁当を買って帰ろう。

コンビニ弁当とは違って、高い。
当たり前だけど、高い。
課長だったら、何て言うんだろう。

バカ高い弁当だなって言うんだろうか。
でも、せっかく大阪まで来たんだし普段とは違うことをしてもバチは当たらないはず。

よし、買おう。

税込で１０００円以上だ。
これぞ、デパ地下。

煮物がふんだんに入ったお弁当をチョイスしたのは、ちょっぴりヘルシーを心掛けてる乙女心だ。
それと・・・認めたくはないけれども揚げ物ばかりを食べていた二十代の頃とは体が求めている食材が変わってきた気がする。

課長と山本で揚げ物ばかり食べている身としては、説得力がないけれど、山本に行って揚げ物を食べた後は、しばらく揚げ物はいいやって気になるし。

増えてしまった荷物を両手に抱えて、次は課長のお宅に向かわなければ。
ここからそんなに遠くないはずだけれども・・・。

駅まですぐなんだから、駅まで戻ってタクシーに乗るのが一番だ。

駅前のタクシー乗り場で順番を待って、タクシーに乗り込み運転手さんに住所を見せた。

「ここまでお願いします。」

ゆっくりと動き出したタクシー。
大阪の街並みを眺めながらの移動は正直、物珍しい。
都会なんて名古屋の街中と同じだけど、それでも頭上を走る高速道路だと思われる高架の下を走っている車の群れ。

難波ナンバー、なにわナンバー。
強そうだ。

しばらく走ってもビル群は続く。
最近、名古屋周辺でもちょくちょく目にするようになってきたタワーマンションが見えたり。

やっぱり大阪は大都会なんだなと感じる。

大きな通りから小さな通りに入って行く車。

目的の課長のお宅は、やっぱり駅からそんなに遠くなかったみたいだ。

料金を払ってタクシーから降りた。

自分で言うのも変だけど、大冒険だ。
一人で新幹線に乗って、大阪まで来たんだから。