ジャンプ2

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鍵を閉めてエレベーターに乗って。 近くのコンビニまでふらふら。 あぁ、ここで課長に会ったらどうしよう。 そんなことを一瞬考えたけれども。 きっと、マキって人とこれから楽しむんだろうから・・・。 今日は帰ってこないのかもしれない。 ちょっと、頭を冷やそうよ、私。 もしかしたら、マキって人とは、何もない可能性だってまだ、ないわけじゃないじゃんか。 限りなく黒に近い灰色の可能性だって・・・。 だって、課長だよ? もしも、黒なら、とっくの昔に私に別れようって言ったんじゃないのかな・・・。 あっ、明日、私と会って、別れようって言うつもりだったとか・・・。 煌々と光を放つコンビニ様を危うく通過するところだった。 酔っ払いめ。 何を買うんだっけ。 そうだ、ロープ。 って、自殺したらダメでしょ。 今、親と勇気とタカちゃんの顔が浮かんだ。 ダメダメ。 一瞬で走馬灯のようにイロイロな人の顔が浮かぶって私、死期の近い人みたいだ。 しっかりしろ。 課長にフラれたとしても、前の生活に戻るだけじゃないか。 そうだ、そうだ。 あぁ、でも、コンビニの中に入っちゃった。 これで何も買わずに帰るなんてダメだよね。 目に飛び込んできたのは、荷造り用の白いロープ。 最初にロープを買おうと思ったんだから、これ買って大人しく帰ろうかな。 これだけだと、淋しいか。 閃いた。 どうせ、フラれるならちょっとくらい、部屋の中にイタズラしておいてもいいだろう。 ケチャップ、買おう。
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