ジャンプ2

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あっ、一瞬、気を失ってたな。 今、何時だろう。 リモコンに手を伸ばしてテレビをつけてみる。 うん、分からない。 壊れたスマホで時間が確認できないから、仕方がない。 パソコンで時間を確認。 夜の10時。 課長、帰って来る気、ないんじゃない? マキって人とどこかで泊まってるのかも。 確か、電話でマキって人が『お取込み中』って言ってたし。 シャワー、浴びてきてたとかさ。 で、シャワーから出てきたところだったんだ・・・。 ワンカップ大関をグビッと。 うげっ。 さっきの缶酎ハイなんて比較にならないほど、喉も顔も熱い。 何が美味しいんだか分からないけれども、これなら酔えそうだ。 よし、卑猥なページの裏側に今度こそ遺書を作成しよう。 いや、でも遺書って怖いな。 ここはシンプル伊豆ベストな感じで。 頭の中もしっかり酔っ払ってるかもしれない。 フラフラと世界が揺れてる。 これでどうだ。 『素敵な思い出をありがとうございました。』 うん、シンプル伊豆ベスト。 ここに血判ならぬケチャップ判を押せば私の本気度も伝わるだろう。 買ってきたケチャップの封を開ける。 そして、親指に薄くつけて、押印。 初めてにしては上出来だ。 座卓の上の包丁が目に留まった。 よし、これにも血液っぽくケチャップを伸ばそう。 時間が経って、こびりついたら、それこそ血液みたいになるかもしれない。 せいぜい、これを見て驚けばいいんだ。 ケーゴーめ。 卵焼きを口の中に放り込んで咀嚼しつつ、またワンカップ大関をごくり。 カッと熱くなった喉と顔。 そして、頭の中がキレッキレに冴えてきた気がする。 コンビニで入手してきたロープの出番だ。
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