かかって恋

ジャンプ２

まずは、だいたいの位置を決めよう。
座卓をどかして床にスペースを作る。

それから、ゴロンと横になってみて自分の大きさを覚える。
そして、白いロープで被害者(美由紀)の体の形を再現する。

右手の部分はつき出したような感じで倒れている感じだ。
よし、できた。
ロープの最後は包丁で切ってしまえばいいだろう。

うん、見事な事件現場の出来上がり。
実況見分中の気分だ。

ダイイングメッセージを残さないと。

右手の先の部分の床にポタリとケチャップを垂らす。
そして、メッセージを残すのだ。

ケーゴー。
そして、右手の薬指にはまる指輪をその文字の横に置いた。

あぁ、涙が出て来てしまう。
課長、サヨナラ。

今夜だけ、待ちます。
もしも、今夜、帰ってきたら、ちゃんと課長の話だって聞くし、もしかしたら、泣いて課長にすがるかもしれません。

課長のあの優しい手が他の誰かを触ったなんて、嫌だけど、でも、もしも課長が私とやり直したいなら、私も頑張ってみようと思います。

これだけの嫌がらせをしたんだから・・・。

だから、帰って来て下さいよ。

ワンカップ大関を飲んでその辺でごろ寝するから

『こんなとこで寝るんじゃねー、バカタレ』

って言って、私のデカいお尻を蹴り飛ばして下さい。

おやすみなさい。