ジャンプ3

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課長の忌々しい部屋から出て、空を見上げる。 今、何時だろう。 スマホがあるからいいやと思って腕時計をしてこなかったことを激しく後悔だ。 時計を見ちゃうと、帰りの時間が気になって楽しめないからなんて乙女チックなことを思っていた昨日の私が恨めしい。 巨大な砂時計が頭の中に出現するのが嫌で腕時計をしてこなかったことがこんなに痛いなんて。 まだ日は高くない。 昨日のコンビニで時計を見よう。 コンビニに入店して時計を見て思った。 私はいったい何時に起きたんだろうと。 まだ朝の7時過ぎだ。 洗面所で泣いて、鏡にケチャップで嫌がらせをしたんだよ? 休みの日なのにいつもと同じように6時には起きていたんだろうか。 今日は土曜日。 そして明日は日曜日。 家族には、課長のところに泊まりに行くって言ってあるし、いきなり帰ったら心配するかもしれない。 課長とダメになったことは、それとなく伝えた方がいいかもしれない。 お父さんの心臓がまた詰まらないように・・・。 発作が起きたら大変だ。 行かず後家の娘をもらってくれると言った課長のことをえらく気に入った様子だったし。 もちろん、母親だっていつまでも男っ気のない私を心配していたことは知ってる。 そして、課長をえらく気に入っていたのは母親も一緒。 勇気だってそうだ。 今夜はネットカフェだか満喫にでも泊まろう。 一晩中、漫画を読んだりネットをしたりしてみるのもいいかもしれない。 ネットカフェにお泊りするなんてしたことがないから、前向きに考えたら魅惑の初体験だ。 それで明日、家に帰ろう。 ひとまず、活動資金をATMから引き出しておくか・・・。
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