ジャンプ3

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コンビニで活動資金を入手して、その足でひとまず駅を目指して歩き出した。 行きは早く課長のお宅に行きたいという思いがあったけれども、今となっては何でタクシーに乗ってしまったんだと思うほどに忌々しい。 ゆっくりと歩きつつ、どこかで朝ごはんを食べたいなと思う。 開いてる喫茶店はなかろうか。 そんな風に思いながら、徐々に気温が上昇していく大阪駅への道のりを一人、淋しく歩いた。 歩いてる間も、思いだされる課長との思い出。 楽しかったのは、間違いない。 恋愛してこなかった10年分、俺がガッツリ愛してやるって言ったくせに。 思いだすと、目にじんわりと涙が出てきそうになる。 それから、胸の中にどす黒い気持ちが湧いてくる。 浮気者。 ウソツキ。 バカにするな。 これから、どうすればいいんだろう。 開いてる喫茶店を発見したから、取りあえず、入ってみた。 表のところにモーニングセット700円と書いてあった。 ・・・愛知県だったらこれぐらいのモーニング、コーヒー代だけで食べられるのに。 大阪商人は銭儲けが好きだなぁ。 阪急うめだ本店様で買った高級お菓子とそこそこの大きさのボストンバッグを持って歩いてる私って、どんな人に見えるんだろう。 そんなことを思いながら、案内されたボックス席に座った。 案内されたのと同時にモーニングセットも注文した。 レトロな感じの店内。 よく知らないけれども、マホガニーな感じの調度品。 ピカピカと艶やかなテーブルにカウンター。 カウンターの中では、推定年齢アラ還のご夫婦がせっせと作業にいそしんでる。 そして、店内のお客さんの年齢層が若干高めなことが気になる。 一応、若者に分類されたい年齢なのに、入る店の種類を間違えたんだろうか。 これでは、愛知県の喫茶店と同じではないか。 休日の朝から喫茶店でモーニングを楽しむのは近所のオジサンオバサン&ジーバーズだ。
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