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人間観察をしていたら、やってきたモーニングセット。
オーソドックスなモーニングだ。
トースト、サラダ、ゆでたまごとウインナーが2本。
・・・ゆでたまごを見た瞬間に頭の中に湧き上がってきた課長。
お得意の妄想で頭の中にピストルを描く。
そして、バンッ!!!
課長のおでこから噴き出す赤い血しぶき。
決め台詞はやっぱり。
お前はもう、死んでいる。
よし、食べよう。
本当なら、絶対に美味しいはずなのに・・・。
一口食べたら涙が出てきた。
何をやってるんだろう。
いい年して、大阪までやってきて、モーニングを食べて泣くって。
でも、次から次に溢れてくる。
ゆでたまごのせいで。
初めて、ちゃんと課長のお宅にお泊りに行ったとき、大きなお鍋の中にあった美味しそうな豚の角煮と大量の煮タマゴ。
美味しかったなぁ・・・。
ウインナーも・・・。
みんなでビアガーデンにお疲れさん会に行ったときにお皿に山盛り持って来てくれたっけ。
私のお弁当にいつも入ってるからウインナーが好きだと思ったって言っていたっけ。
食べ物を食べる度に、課長との思い出が蘇ってきたら、何も食べられなくなりそうだ。
ダメじゃん。
失恋くらいで。
だけど、30歳で初めて手に入れた恋愛の楽しさを失った痛手は大きい。
失恋くらいでって思うけど、心が痛い。
課長との未来を疑っていなかった分だけ、なくした大きさを感じる。
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