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何を今更。
編集会議で誰が担当するか話し合ってたのに、会議中お前は何を聞いていたんだ。
と、突っ込みたいのを我慢して、やけに酸っぱいハーブティーを口に含む。
「いいなー。片桐さんと一緒。イイ男ですよね、片桐さん」
仮台割を胸に抱き、頬をピンクに染めるデガワに、今度こそお茶を吹き出しそうになった。
「はぁ?片桐がイイ男!?」
アイツのどこが?
確かに背が高くて、いい身体はしてると思うけど。
今時真っ黒な髪は肩に届きそうなくらいのロン毛だし、顎にはヒゲが生えてるし、やけに高圧的だし。
「えー?平井さんわかってないなー。今時ああいう武骨な男って貴重ですよ、貴重!」
「き、貴重……?」
「普通の男がロン毛だったらイタイけど、あれだけ身長あって整った顔してたらどんな髪型も似合っちゃうっていうか。
髪形に気を使って鏡見るたびにセットしちゃう男より、髪形なんて気にしてないって感じで、無造作にのばしっぱなしなのが男らしくて逆にいいんですよー」
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