-02-

2/12
212人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
「「由香里、ねえ由香里ってば」」 「「...うん?」」 いつの間にか由香里は寝ていた様だ。 「「もう、今日は勉強教えてくれる約束だったのに...」」 「「ごめんごめん、ちょっと寝てただけだよ」」 この生暖かい空気が、何だか一生の時間にも感じた。 「「それに私達友達だし、忘れるわけないじゃん」」 「「本当?本当の本当に友達?」」 何を今更言ってるのか、本当も何も無いだろうに。 「「ええ、本当よ、私達はずっと友達...」」 『じゃあ何で、私を助けてくれなかったの?』 「「...!?」」 背景が変わる、この夢の様な日々から一転していく 私の理想が壊れていく 『ねえ、何で?何でよ...』 「「やだ...やめて...」」 お願いだから、その事は言わないで。 『何で私を見殺しにしたの?』 「「もう放っておいてよ!!」」 ___「...!?」 夢だった。 「...」 由香里は洗面所に向かった。 「はあ...はあ...」 何度も顔を洗った、何度も手を洗った。 何度も、過去を洗い流したかった。 「う...」 気付けばそこには、涙を流している自分が居た。 駄目だ、自暴自棄になったら。 「よし...」 もう泣かない、泣いた数だけ弱さになるから。 取り敢えず、リビングに行った。 「誰も居ない...」 おかしいな、お母さんぐらい居てもいいのに。 「...ってもう10時!?」 やばい!!大遅刻だ!! 「あ、そうか...」 今日は休校日だった。 しかし昨日は色々あったからかな、アラーム放置でこんな時間帯まで寝てたなんて... __ピンポーン すると由香里の家のインターフォンが鳴った。 「誰だろう...」 家に由香里以外誰も居ない為、必然的に彼女が出る事になる。 「はい、どちらですか?」 ドアを開けた瞬間に誰だか分かった。 「おはよ~!」 賀谷野達也、由香里のクラスメイトだ。 「何しに来たの?」 「あ、まだ寝てたか?」 あ、まだパジャマだったか。 まあいいか、別にどうでも良いし。 「それで、何?」 「いや、ちょっと一緒に歩かないかって誘おうとして」 「はあ?」 何の為に?意味分かんない。 「荒木から聞いてさ、もっと他に犯人が居るって...俺あの時対して何もしてないから、その犯人について何か分かれば良いなと思って、それで...」
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!