第四章一話

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「零――ッ!」    姫希があらん限りの声で雄叫びを上げる。  零は自分の身に何が起きたか、うまく理解できなかった。  ただ、自分の背中に何かが突き刺さっている。  その実感はあった。  崩れ落ちる零に姫希が駆け寄る。 「しっかりして! 零君ッ!」    治癒魔法を零にかける。  だがその傷は一向に塞がらない。  むしろ傷口は開いてく一方で、零のうめき声が増大するばかりだ。 「なん、で……? どうして……?」 「当然だ十羽乃姫希。その短刀には魔力を吸収する宝石が埋め込まれている。君の魔力も、御堂零の魔力も吸収されている」    四式の冷静な態度に、姫希はキッと睨んだ。 「どうして……ッ! どうして、そんな平気でいられるんですかっ!?」 「簡単だ。私が御堂一華を操って零を刺させたからだ」 「え――?」
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