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第四章二話
「こ……ここ、は?」
姫希が瞼を開くと見知らぬ場所にいた。
地面はごつごつとしていた。
周囲はほのかな橙色が照らしていて、岩壁がおおっている。
まるで洞窟のようだと、姫希は思った。
「ここは祭壇場だよ、姫希君」
頭上から声が降りた。
紅理事の声だ。
「我が悲願を叶えるための祭壇。――見たまえ!」
パンッ! と白光のライトが一斉に点灯した。
「なに……これ……?」
姫希の瞳に映ったのは巨大な何かの装置だった。
理科の実験に使うビーカーを
何倍にもした巨大なガラスの筒があった。
中には淡い水色の液体が入っていて、その周囲には何十本もの管が繋がっている。
よく見ると姫希が座っている地面にも幾本もの管が這っていた。
「これは死者を復活させるための装置だ」
背後から声がして振り向くと、四式がいた。
「零君と一華ちゃんは、どこッ!?」
「案ずるな。私たちの後ろで仲良く転がっているよ」
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