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四式が指差す方向には零と一華が寝そべっていた。
零からはこぼれ落ちるような呻き声が僅かに聞こえてくる。
「さてと、ついて来てもらおうか」
がっと腕を掴まれ立たされる。
抵抗して振りほどこうにも、四式の力は強すぎて全くかなわなかった。
「暴れるな。君の役目はもうすぐ終わる」
それはどういう意味なの、と問いたかったが、怖くて訊けなかった。
終わる――それはもうすぐ死ぬという事実を示唆しているのではないだろうか。
祭壇へと続く階段を上り、紅理事長と真っ向から対面する。
「貴方たちの、目的は、何……? どうして、こんな事、するの?」
「ふむ、勇ましいな。性格は似てないが、容姿は瓜二つなのだからよしとしよう」
「? 何を、言ってるの? 私の、質問に答えて……!」
姫希の激怒を何処吹く風として、紅は冷淡に見据える。
食指が動いたのか「まあいいだろう」と紅理事は言う。
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